多くのFXトレーダーが取り入れている両建ての手法。しかし、FX初心者の中には、「両建て」という言葉は聞いたことがあっても「実際にはどんなものかよくわからない」「名前ぐらいは知っているけど・・」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、両建てとは何か?を解説するとともに、国内FXと海外FXトレードにおける「両建ての手法」を2種類見ていきたいと思います。両建てをマスターすれば絶対に勝てるというわけではありませんが、FXをやる上で欠かせない手法の一つですので、ぜひ最後まで読んでみてください。

そもそも両建てとは?

ではまず、両建ての説明から始めていきましょう。

両建てとは、買い(ロング)ポジション、売り(ショート)ポジション両方保有することを言います。両建てのメリットは、レートがどのように変化しても、片方のポジションの損失をもう一方の利益でカバーできる点。しかし利益が減ってしまう場合もあるため、特にFX初心者からは「使いどころが難しい」「どうやって使いこなせばよいか分からない」と言われることも多々あります。

実際のところ、何の工夫もせずに両建てをしたとしてもほとんど意味はありません。両建てを効果的に使うのであれば、他の作戦を組み合わせて戦略を立てることが大切です。

両建ての手法

両建てがどういうものか分かったところで、ここからは両建ての手法について解説していきます。

両建ての手法として良く用いられるのが、

  1. スワップポイントさや取り
  2. 両建てナンピン

の2種類です。いずれも、「両建て」を他の作戦と組み合わせた必勝法となっています。

詳細を一つずつ見ていきましょう。

1.スワップポイントさや取り

1つめは、スワップポイントさや取りという方法になります。

この必勝法の手順は以下の通りです。

  1. スワップポイントさや取りが可能な通貨ペアを探す
  2. 同じ価格および同じ量で両建てを行う
  3. スワップポイントを稼ぎ続ける
  4. スワップポイントを確認する
  5. スプレッドが狭い時かスワップポイントがマイナスになった時に決済する

※両建てを行うことでいつ決済してもプラスマイナスゼロになるため、リスクが大幅に軽減できる
※スワップポイントは常に変化するので毎回チェックをしておく

両建てをすると、ロングポジションのスワップポイント+ショートポジションのスワップポイントはマイナスになってしまい、持っているだけで損失が発生し続けてしまう可能性が高いです。しかし、たまに両方のポジションのスワップポイント合計がプラスになる場合があります。そういったケースでは。ポジションを持っているだけで利益が発生し続けるのですが、このように利益を出すことをFXでは「スワップポイントさや取り」と呼んでいます。

ここで重要なのは、「ロングポジションのスワップポイント」も「ショートポジションのスワップポイント」も両方プラスとなる通貨を探すこと。これが出来るかどうかで、勝てるかどうかが決まると言っても過言ではありません。

念のため、この方法のデメリットについても触れておきましょう。

デメリット1:大した利益を得られない

レバレッジをかければスワップポイントも上がります。ただし、スワップポイントは微々たるものなので、大儲けを狙うのは厳しいと言わざるを得ません。

デメリット2:手法にこだわらないなら普通に取引したほうがいい

デメリット1と被る部分でもありますが、「稼ぐ」ことにフォーカスするのであれば、あえて「両建て」という手法にこだわる必要はありません。むしろ普通に取引をしたほうが勝てる場合もあります。「両建ての手法を学びたい」「両建てで稼ぐことにチャレンジ」などの目的があるなら別ですが、短期間でもっと多くの金額を稼ぎたいなら、普通にFXトレードすることをおすすめします。

デメリット3:両建てができないFX業者がある

これはスワップポイントサヤ取りに限ったことではありませんが、FX業界では、そもそも両建てを禁止しているブローカーも少なくありません。規約を破ると、口座凍結や取引停止などのペナルティを受ける可能性もありますので、両建て手法を利用したトレードをやりたいのであれば、可能かどうかを事前に調べておきましょう。

2.両建てナンピン

2つ目の手法は、両建てナンピンです。

こちらは、手順がかなり複雑なので具体的な例を挙げて説明します。

  1. 100円でロングポジションを保有
  2. 99円に下がったタイミングで、「99円のショートポジション」を保有
  3. 2と同時に「99円のロングポジション」を保有
  4. 98円に下がったタイミングで、「98円のショートポジション」と「98円のロングポジション」を保有
  5. 97円に下がったタイミングで、「97円のショートポジション」と「97円のロングポジション」を保有
  6. z円に下がったタイミングで、「z円のショートポジション」と「z円のロングポジション」を保有

※両建てナンピンの手法は3番からとなります(1~2番は純粋な両建て)

このケースでは、100円のロングポジションだけは相殺されません。気長に待っていると「トータルでプラスになるタイミング」が来ますので、そこで決済すれば利益を出すことができます。

ここで、両建てナンピン手法のデメリットについてもチェックしておきましょう。

デメリット1:レンジ相場でないと厳しい

この手法は、一方的に上がり下がりを続けると、最初に取ったポジションがロスカットされやすくなります。そのため、細かな上下が連続するレンジ相場でないと両建てナンピン手法はかなり使うのが難しいでしょう。

デメリット2:手順が多くなる

上記の例を見ても分かるように、両建てナンピン手法では同時に大量のポジションを持つことになります。そうなると、管理がかなりややこしくなり、ミスをしてしまうリスクが上がります。手順が多くて煩わしいので、FX初心者には難易度が高い手法かもしれません。

FXの両建て手法で現実的なのはどっち?

これらの2つの手法を比較してみると、実用性があるのは「スワップポイントさや取り」に軍配が上がります。単純にさや取りができているかどうかチェックする根気があればできる手法なので、比較的FX初心者でもチャレンジしやすいでしょう。

ただし、スワップポイントでは大した利益は得られませんので、短期間で大金を稼いでみたい!という人には不向きです。逆に、無理せずにコツコツ稼ぎたいというトレーダーには向いているでしょう。

まとめ

今回は、FXの両建てについて解説するとともに、両建ての手法を2つご紹介しました。
初心者トレーダーがコツコツ利益を積み上げていくならば「スワップポイントさや取り」の手法がオススメですが、より多くの利益を出したいと考えているのであれば、あえて両建てにこだわる必要はないでしょう。

ちなみに、両建ての手法はこの2種類が全てというわけではなく、このほかにも複数存在しています。しかし、「FXで絶対に勝てる手法」というものは無く、どこかに欠点は必ずあります。だからこそ、周りの意見に惑わさないように、早めにトレードスタイルを確立し、自分に合った手法でトレードに臨むことが大切です。

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