まずは国内FX・海外FXにおけるアービトラージの定義からです。

業者間や通貨間の値段差によって利益を出す手法

ものすごく大雑把に言うと、

A店:ある本を500円で売っている
B店:その本を600円で買ってくれる

「A店で買って、B店で売る」ことで100円の利益が出ますよね。
海外FX・国内FXのアービトラージはもっと複雑ですが、本質的には「価格設定の歪み」を利用して稼ぐ手法なのだと考えてください。

そして、アービトラージには主に3つの手法があります。

  • レイテンシーアービトラージ
  • スワップアービトラージ
  • トライアングルアービトラージ

レイテンシーアービトラージ

複数FX業者間の価格差を利用して稼ぐ

例えば「サーバーが違う」などの理由で、同じ通貨ペアであっても、業者間でわずかな価格差が生じる場合があります。
すると、上記の「本の売買理論」と同じ手法で稼ぐことができます。

スワップアービトラージ

各海外FX業者はそれぞれの通貨ペアに対して「スワップポイント」を設定しています。
スワップアービトラージについては具体例を挙げるほうが分かりやすいです。

ある通貨ペアに関して、

海外FX業者Aでのロングポジション:+110のスワップポイント
海外FX業者Bでのショートポジション:-100のスワップポイント

となると、トータルでスワップポイントが+10になりますよね。
そして、ロングポジションとショートポジションを同値で買っておけば、相場がどのように変動しても損失は出ません。

トライアングルアービトラージ

ややこしい手法ですので詳細な解説はしませんが、「3種類の関連性がある通貨ペアを扱って、リスクを下げながら安定的に稼ぐ手法」のことをトライアングルアービトラージと言います。
「さんすくみ手法」などと呼ばれることもありますね。

そもそも海外FX・国内FXでのアービトラージはおすすめしません!

ここまで解説しておいてなんですが、海外FX・国内FXともに、アービトラージを実践する事はおすすめしません。

XMなど「最大レバレッジが高く、信頼性のある海外FX業者」であってもそれは同様です。

おすすめしない理由は主に以下の通りです。

  • 利益効率が低い
  • 難易度が高すぎる
  • アービトラージを禁止しているFX業者が多い

利益効率が低い

どのタイプのアービトラージをするかによって多少違いますが、基本的に「わずかな価格差を利用して稼ぐ」のがアービトラージですから、利益効率が低いです。

アービトラージなどせずに、XMなどのレバレッジが高い海外FX業者を利用して、基本的なFXトレードをしたほうが圧倒的に効率がいいです。

難易度が高すぎる

「わずかな価格差」を的確に見つけるのは、人力ではほぼ不可能です。
となると自動売買システムなどを使うことになりますが、「アービトラージ性能」が高い自動売買プログラムはほとんど存在しません。

これに関してもやはり、「妙なところに手間をかけないで、普通に通貨ペアを売買して稼ぐほうがいい」と言えます。

アービトラージを禁止しているFX業者が多い

そもそもアービトラージを禁止している国内FX・海外FX業者が多いです。
「この業者はアービトラージOKか?」などと調べている時間がもったいないです。

ちなみに、インターネットなどでリサーチしてみてもアービトラージ関連の情報は少ないです。
多くのFXトレーダーが「アービトラージは良い手法ではない」と理解しているので、それに関する情報も発信していないのではないかと思います。

補足:アービトラージ系の情報商材・高額ツールに注意!

アービトラージには、「うまくやれば理論上必ず稼げるが、非常に手間がかかる」という性質があります。

しかし、この「うまくやれば理論上必ず稼げる」という部分だけを取り上げて、

「海外FX・アービトラージで月収○千万円!」
「アービトラージはノーリスクで億トレーダーを目指す!」

などと謳う情報商材・高額ツールが少なからず販売されています。

中には本当に意味のある商材・ツールもあるかもしれませんが、基本的には手を出さないのが無難です。

海外FX・GEMFOREXのアービトラージ関連のルール

続いては、「業者ごとのアービトラージ関係のルール」を具体的に見ていきましょう。
まずは海外FX業者のGEMFOREXからです。

レイテンシーアービトラージ
→禁止

スワップアービトラージ
→そもそも「複数業者での両建て」が禁止

トライアングルアービトラージ
→恐らくOK(もちろん難易度は高い)

両建て:ある通貨ペアのロングポジションとショートポジションを同時に持つこと

「2つの業者を利用した両建て」をGEMFOREXは禁じていますから、スワップアービトラージをすることができません。

一応「GEMFOREXにおける1つの口座で、ロングポジションとショートポジションを同時に持つ(両建て)」のはOKですが、これも利益効率が良くはないのであまりおすすめできません(稼ぐこと自体は不可能ではない)。

そしてトライアングルアービトラージは恐らく可能ですが、これも効率が悪いので推奨しません。
GEMFOREXはレバレッジ倍率1,000倍の業者ですので、このハイレバレッジを活かして普通に通貨ペアの売買をすべきです。

海外FX・XMのアービトラージ関連のルール

続いては同じく海外FXである「XM」のアービトラージ関連のルールを見ていきましょう。

レイテンシーアービトラージ
→禁止

スワップアービトラージ
→「複数業者間での両建て」が禁止

トライアングルアービトラージ
→禁止

XMはGEMFOREXと比べても更にアービトラージに関して厳しいという印象です。

GEMFOREXと同じく「XMの1つの口座における両建て」は可能ですし、理論上「ロングポジションとショートポジションのスワップポイントの合計がプラス」なら稼げますが、XMの場合はその条件を満たす通貨ペアがほぼありません。

XMは最大レバレッジ倍率が888倍ですし、やはり通貨ペアを素直に売買したほうが利益が出やすいです。
この辺りもGEMFOREXと一緒ですね。

ここではGEMFOREXとXMについて解説しましたが、
アービトラージに関するルールは、ほとんどの海外FXブローカーにおいて共通していると考えてください。
そもそも効率が悪いですし、アービトラージの事は忘れてしまっても構いませんが。

国内FXのアービトラージ関連のルールは?

国内FXでもアービトラージはほぼ全て禁止されています。
ちなみに、海外FXとは異なり、国内FXの場合は「同一口座での両建て」もNGとしているところが多いです。

国内FXは最大レバレッジ倍率が低すぎる

ここまで再三にわたって、「アービトラージは利益効率が低い」というお話をしました。

また、

海外FX:最大レバレッジ数百倍以上
国内FX:最大レバレッジ25倍(法的に決まっています)

という違いがあり、仮に国内FXでアービトラージができたとしても、「普通にバイトをしたほうが大幅に稼げるレベル」になってしまう可能性が高いです。

海外FX・国内FXのアービトラージ事情まとめ

情報が多くなったので最後にまとめます。

  • アービトラージは効率が悪いのでそもそも避けるべき
  • 通貨ペアを普通に売買したほうが資金効率がいい
  • 海外FX、国内FXともにアービトラージは禁止されている傾向にある
  • アービトラージ関連の怪しい情報商材やツールに要注意

🔗海外FXの口座開設ボーナスおすすめランキング:海外FXの偏差値